学校レポート 広島市立広島中等教育学校

広島中等-学校外観2014年4月、広島市立安佐北中学校・高等学校は広島市立広島中等教育学校として新たに出発します。
今回は、広島市立広島中等教育学校開設準備委員会 教頭の升原先生と企画広報部長の菅本先生に、中等教育学校として生まれ変わるにあたっての新たな教育像、学校像についておうかがいしました。

グローバル社会の次世代リーダーを育成する
「立志(LISI)プロジェクト」

これまでの併設型から中等教育学校への移行とのことで、「中等教育学校」というかたちだからこそ可能な、あるいは期待できる教育像について、お考えになっていることを教えていただけますでしょうか。

探究中学高校の指導内容には、重複した部分も多く、また併せて指導した方が効果的なものも少なくありません。ですが、これまでは、高校からの入学生がいるので、中学校時代に高校内容の前倒し授業を行っても、高校で再度授業を行う必要がありました。しかし、中等教育学校では6年間完全に一貫しているので、思い切ったカリキュラム編成が可能になります。
また、余裕が生まれるので、品格を高める授業、探究活動、大学入試対策を多く行えるようになります。

学校の特色として、どのようなところを前面に出していかれたいとお考えでしょうか。

本校は、将来のグローバル社会においての人々の幸せのために、リーダーとして活躍できる人物を育てたいと考えています。そのために、立志(LISI)プロジェクトを立ち上げます。
立志(LISI)プロジェクトとは

  • Leadership(リーダーシップ)
  • Identity(日本の伝統文化の継承と品格の育成)
  • Search(知的探究能力を育成する研究活動)
  • International(グローバルな視点を持つコミュニケーション能力の育成)

広島中等-英語授業の頭文字をとったものです。
その中でも特筆すべきことは、英語教育の充実です。前期課程で、通常の公立中学校の1.5倍の英語の時間数を確保し、また、最近話題の「ER(英語多読)」も取り入れて、徹底的に英語力を鍛えます。さらに、語学力に加え、立志(LISI)プロジェクトの集大成として、3年で行う予定の「イングリッシュキャンプ」、5年で行う予定の「海外修学旅行」を実施する予定です。

特に充実を図っていらっしゃるという英語についてですが、入学前からの準備については必要でしょうか?

ER本校でしっかりと指導しますので、特に必要はありません。

少人数指導・習熟度別授業
中等教育学校のメリットを活かせるカリキュラム

授業内容など、今までと大きく変わる点はどこでしょうか。

中学高校の連携がこれまで以上に進みます。今でも高校の教員が中学生を指導していますが、こうした相互の連携が一層進むと考えています。

学年・クラス編成・カリキュラムなどはどのようになっていますか?

1クラスの人数を30人以下として、徹底した少人数指導を行います。さらに英語数学は、習熟度別授業も導入します。
ファーストステージ(1・2年)・セカンドステージ(3・4年)・ファイナルステージ(5・6年)と系統的に指導していきます。ファイナルステージからは、文理別クラス編成や東大京大などの難関国立大学進学を目指す特進クラスを設置する予定です。
中等教育学校のメリットを活かせるカリキュラム編成を行います。

キャリア教育・グローバル教育・進路指導の充実を

他に、学校案内にもあるキャリア教育やグローバル教育など、独自のカリキュラムとして注力していきたいものがあれば教えてください。

インターナショナルキャリア教育では、本物に触れること、生徒のモチベーションを重視することを意識しています。それをきめ細かな指導でフォローしていきます。
1・2年生でジョブシャドウ(職場訪問)、3年生でインターンシップを実施することで職業研究を、また、3年生での広島大学訪問をきっかけに学問大学研究を行っていきます。さらに、職業人を招聘するプロフェッショナル講演会、大学教授を招聘した進路研究セミナー、前期課程生(中学生)も参加できる「東大(京大)オープンキャンパス研修」などを通じて将来をしっかりと見据えた生徒を育てていきます。
グローバル教育では、集大成として行う予定の「海外修学旅行」です。現在のところオーストラリアを予定していますが、ただ観光するのではなく、ホームステイや現地高校の授業参加や交流など、様々なプランを計画中です。

生徒さんの卒業後の進路や進路指導について、お考えがあればお聞かせください。

アイデンティティあらゆる進路希望に全力でサポートします。現在の安佐北中高は、国公立大学への現役合格者数が年々増加傾向にあります。中等教育学校移行後はさらに増加すると考えています。また、旧帝大などの難関国立大学への現役進学者数も増加しています。現在の高1、高2の上位層の学力が卒業生より高くなっていますので、今後はこれらの合格者数も急激に増加すると考えています。さらには、海外の大学への進学者も出てくるかもしれません。
通常の授業は当然ですが、長期休業中や土曜日にも補習授業(希望制)を行い、個別添削指導も行うなど、各自の進路実現にむけた手厚い指導を行っていきます。

部活や行事、生徒活動・課外活動など、学業面以外についても、どのようなところに力を入れていきたいとお考えでいらっしゃるか、お教え頂けますでしょうか。

広島中等-球技大会6年間一貫の学校の良さを活かして、縦割り活動を一層充実させようと思います。広いグランドや体育館や講堂を活かして、現在も、多くのクラブ活動が活発に活動しています。学校行事も文化祭(昇陽祭)体育祭など、生徒の創造力やパワーはものすごいものがありますので、これらも一層充実させて行きたいと考えています。

入学をお考えの児童・保護者の皆様へ

適性検査の内容に変更はありますか?

時間を若干のばしましたが、そのほかに特に大きな変更はありません。

その他、学校について自由にお知らせいただけることがあればお願いいたします。

本校の教育内容について興味をおもちの方は、ぜひ公式WEBページをご覧ください。また、見学・説明等のご要望にもお答えしております。企画広報部長までご連絡ください。

最後に、広島市立中等教育学校への入学を志望している児童または保護者の皆様へのメッセージを。

平成26年4月、広島県初となる中等教育学校が開校します。ぜひ、私たちと一緒に、新しい伝統を築いて行きましょう。

開校準備のお忙しいなか、ご回答を頂戴いたしまして、本当にありがとうございました。広島市立広島中等教育学校として、この上なく素晴らしいスタートが切れることを、心からお祈り申し上げております。

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